「選挙で当選するために一番、大切にしている選挙運動は何でしょうか?」
という報道陣の問いに対し、国民政党の某党首は、
「選挙での経験から申し上げると、選挙区内で、どれだけ多くの有権者と握手したかが大変有効な集票手段につながる!」と断言していた。
要するに、候補者の外見(ルックス)や有権者との接触の仕方で、候補者に対する有権者のイメージは変わり、投票行動をも左右する傾向は否定できない。
でも、外見や有権者への対応・態度だけで、その候補者も選ぶのは、拙速で極めて危うい。
では、他に何を基準として選べばよいのだろうか?
本記事では、自分の選挙区で1人の候補者に投票する際、消去法で考えること(=比較して我慢できるベターな候補者を選ぶこと)の大切さを力説する。
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避けるべき候補者4パターン
いろいろな資料や文献、WEBの記事を集めて調査し、当団体の見解も含めて整理すると、以下4タイプの候補者に属する人は、できる限り、避けて選ぶのが良い。
- 利益誘導型の政策に偏重した候補者
特に国政選挙においてはこのタイプの候補を選ぶか否かは、慎重に考えて欲しい。国政を任せられるかという観点で言えば、多岐にわたる政策分野を理解して議論できなければならない。その上、特定の層、例えば、支持団体や出身母体だけが恩恵を被るような政策(公約)ばかりを強調し声高に叫ぶ候補者は、不特定多数の民意を考えた政治姿勢からかけ離れて行動する危険性は大いにある。 - 印象や外見は魅力的だが、中身が薄いか、空っぽの候補者
中身が大事であることは言うまでもない。中身とは、実現したい政治姿勢や政治理念、政策(公約)などがあいまいでなく具体的ではっきり説明できること。経歴は1つの目安になるが、確実な指標とまでは言えない。候補者が豊富で輝かしい経歴を持っているからといって、中身が伴っているかまでは、簡単に判断できない。経歴が他の候補より見劣って大したことがなくても、当選後、政治家としての適性や手腕をいかんなく発揮するポテンシャルが高い候補者もいる。
このタイプの候補者は意外と多いが、見分けるのも、なかなか難しい。というのも、候補者の中には、表向きは中身がすごくあるように偽装して有権者の目を一時的にだまくらかして選挙を通過する場合も少なくないからだ。
そこで、投票しようか気になる候補者に関しては、時間が許す限り、徹底してインターネットや街頭演説などでご本人が発信する情報を集め、政策や政治姿勢など中身が具体的であるか調べてみましょう。
さらに候補者への面接ではないが、候補者が掲げる政策を少し勉強した上で、インターネットでも対面でも良いので、候補者にいくつか質問をぶつけてみると良い。
質問に対する反応(返答時間や返答内容)から、候補者がどの程度、理解や見識を持っているか、中身の濃淡、空っぽか否かを見極める事もできるかもしれない。
ただ、この手法の難点は、手間がかかり、研究熱心な有権者にしかおススメできないところである。
結局、中身が薄い、空っぽな候補者と見極めずに間違って当選を許してしまった場合は、政治家としての任期が終わり、次期選挙が来た際に、選ばない(落す)よう判断する責務が、われわれ有権者にはある。 - 印象・外見、中身も能力も立派だが、道義または法律に反してモラルがない候補者
このタイプの候補者も、当然選んではならないが、2のタイプ同様もしくはそれ以上に選挙期間だけで見極めるのは至難。過去に人間関係で道義的にトラブルを起こしたり、不祥事や違法な事件を犯していたりと前科や常習性でもなければ、判断のしようがない。
結局、政治家として任期を終えた段階で、このタイプの候補者と見極められずに間違って選んでしまったことを反省し、次期選挙では選ばない(落そう)と割り切って判断するしかない場合も多い。 - 義理や直接の関係性で強く結ばれた候補者
義理や直接の関係性で強く結ばれる候補者とは、有権者のあなたと候補者との間に、公私において直接の利害関係や支配(支配・被支配)の関係がある事情で、自分の投票行動も束縛されような間柄を指す。
いわゆる、候補者との間にしがらみがある状態。
このタイプの候補者に投票するか否かを判断する際は、闇雲に選んではならない。少なくとも、上記1~3のタイプに属さないか否かも十分に検討して欲しい。
人格や人柄は決定的要素とは言えず
人格が高潔であるか否か、人柄が立派な人か否かを政治家を選ぶ条件とする人たちもいる。
全然否定はしないし、政治家は人に好かれたり敬われたりする人の方が、成功する確率が高くなるのも事実だ。
ただし、候補者の人格や人柄に対する評価は、候補者でない他人が各々の価値観や見方、解釈において様々に判断されるものである。
一般論として取り上げて明示することは難しく、また、政治家を選ぶための他の条件・要素との関係において絶対的条件に含めるのが適当かも疑問があり、タイプの分類から外した。